AIメディカルサービス社の内視鏡画像診断支援ソフトウェア「gastroAI model-G」を導入しました。

胃がん診断支援AIを用いることで、ハイ ボリュ-ム センタ-のスーパ-エキスパ-ト検査医並みの精度で、早期胃がんを発見することが可能となり、早期胃がんの早期診断と、内視鏡検査の均てん化が期待できます。

詳しくはこちらをご確認ください。

ブログの掲載を始めます。

こちらでブログを掲載する予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

『高血圧の治療はアプリで』Yahooニュース中国新聞版にて当院長が取材を受けました。

Yahooニュ-ス、中国新聞に当院長の記事が掲載されております。

ぜひこちらをご覧ください。

LINE診察券導入いたしました。

この度当院にてLINE診察券を導入いたしました。

詳しくは下記説明資料をご確認ください。

 

 

G7広島サミット開催期間中の診療について

519日(金)~21日(日)に開催される、G7広島サミット2023期間中は通常通り診療を行います。

クリニック外壁工事のお知らせ

いつも当院をご利用いただきありがとうございます。
この度、患者さんがより心地よく診療を受けていただくための一環として建物の外壁工事を実施することとなりました。
工事期間中は、一部の騒音や振動、埃などが発生する可能性がございます。また、建物周辺の安全確保のため、一部の駐車場や歩道などが使用できなくなることがあります。これにより、ご迷惑やご不便をおかけすることがあるかもしれません。誠に申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

院長

WEB予約システムの変更ついて(2023年2月より)

2023年1月31日まで、現在のweb予約から予約できますが、2023年2月1日分以降は別の予約サイトからとなります。

2023年1月公開予定ですのでシステムが完了次第ご報告いたします。

皆様にはご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

高血圧

血圧について

高血圧血圧とは、心臓から全身へ血液を送る時に、動脈の内側に圧力をかけて押し出す力です。
心臓がポンプのような役割を果たして、拡張・収縮を繰り返すことによって、血液を全身に届けています。血圧が高くなると心臓が収縮して、血圧が低くなると心臓が拡張します。血圧は、心臓に近いほど数値が高くなり、足先などの末端では低くなります。
血圧を測定する時には、収縮期血圧と拡張期血圧の両方の数値を計ります。

高血圧とは?

慢性的に血圧が高いと、血管が常に大きな負担がかかって痛みやすくなります。さらに、高血圧は、心臓にも負担がかかります。
長期間に渡って血管に負担をかけている状態は、動脈硬化が進行したり心臓肥大が起こる恐れがあります。高血圧や動脈硬化は、特に自覚症状が無く進んで、悪化すると心筋梗塞や脳卒中といった重篤な疾患に罹るリスクが高くなります。
健康診断などで高血圧を指摘された場合は、早めに血圧のコントロールをすることが重要です。

高血圧の基準値

基準となる数値は以下です。血圧を測った時に、この数字よりも高い場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

診察室血圧 140/90mmHg
家庭血圧 135/85mmHg

降圧目標値には、個人差があります

降圧目標値は、年齢や合併症の有無、基礎疾患によっても異なります。年齢が高くなるにつれて各臓器の機能や働きが衰えていくため、血圧を下げることで臓器に負担がかかってしまう場合があります。
糖尿病や蛋白尿などの基礎疾患をお持ちの方は、高血圧の状態が続くと心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが高くなるので、予防のために降圧目標値を設定して治療を行う必要があります。

降圧目標(診察室血圧)

75歳未満の成人 130/80mmHg未満
糖尿病患者  130/80mmHg未満
CKD患者(蛋白尿陽性) 130/80mmHg未満(目安)
75歳以上の高齢者 140/90mmHg未満(目安)

高血圧の原因

塩分高血圧の原因として最も多いのが塩分の過剰摂取です。また、禁煙や肥満、運動不足、飲酒なども高血圧の原因として考えられます。遺伝的要因やストレスなどの要因がいくつか重なることで、高血圧を発症することもあります。
高血圧の予防や進行を抑えるには、生活習慣の改善が重要です。
高血圧の9割程度は、生活習慣が原因となりますが、残りの1割の方は他の疾患で治療に使われる薬が原因で高血圧を発症しています。治療に使用する薬の副作用で高血圧を発症している場合は、治療法や治療薬を変更してあげることで高血圧の症状を抑えることができます。
高血圧は、糖尿病や脂質異常症を合併して動脈硬化を進行する恐れがあります。高血圧や生活習慣病は、自覚症状が無く進行していくため、健康診断や人間ドックで異常を指摘された場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

高血圧から起こりうる合併症

高血圧の状態をそのままにしていると、動脈硬化が進行して様々な合併症を引き起こす恐れがあります。

動脈硬化

動脈硬化血圧が高い状態が慢性的に続くと、動脈の壁が硬く厚みが増して、次第に血管内が狭くなっていきます。全身に必要な栄養や酸素を送るための血液の流れが悪くなると、各臓器に様々な合併症を引き起こします。

動脈硬化はこちら

狭心症・心筋梗塞

狭心症は、心臓に酸素と栄養を運ぶための冠動脈が、動脈硬化によって血管内が狭くなってしまう状態です。心筋梗塞は、冠動脈が詰まって血液が流れなくなってしまう状態です。血管詰まって血液が流れなくなると、心臓を動かす筋肉である心筋が壊死して機能が低下してしまいます。
胸の痛み、胸が締め付けられるような圧迫感、息苦しさなどは、狭心症や心筋梗塞の症状かもしれません。気になる症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)

脳卒中脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れて出血するなどの血管障害が原因で発症する病気の総称です。
脳出血は、脳内の血管が破れて出血が起こる状態です。脳梗塞は、脳の血管が詰まって脳細胞に血液が行き届かなくなると脳細胞が壊死してしまう病気です。くも膜下出血は、くも膜と軟膜の隙間にある動脈が、何らかの原因によって破れて出血した状態です。
脳卒中は、発見が遅れると治療をしても重篤な後遺症が残ってしまう可能性があります。

大動脈瘤

大動脈瘤とは、心臓から全身に血液を運ぶための大動脈が動脈硬化によって血管壁の一部が脆くなっている部分に、高血圧などによって血管内にコブのような膨らみができます。大動脈瘤は、一度形成されると元に戻ることは無く、徐々にサイズが大きくなっていきます。コブ状の膨らみが破裂すると、大出血が起こり死に至る恐れがあります。

腎硬化症、慢性腎臓病

腎硬化症とは、動脈硬化によって腎臓へ繋がる血管に障害が起きている状態です。慢性腎臓病は、蛋白尿が慢性的に続くことで腎臓の代謝機能が低下してしまう病気です。
進行すると、次第に腎臓機能が低下して、腎不全を引き起こす恐れがあります。

心不全

胸痛高血圧の状態が続くと、心臓に負担がかかり心筋が分厚くなっていいきます。次第に、心臓のポンプ機能がだんだんと低下して、全身に血液を十分に送り出すことができなくなっていきます。

眼底出血

外傷または糖尿病や高血圧によって動脈硬化が進行して、眼底や網膜の毛細血管から出血が起こる状態です。眼底出血によって、硝子体や網膜に出血が広がると重度の視力低下や視野欠損が起こる場合があります。

高血圧の治療

高血圧は、生活習慣の改善と薬物療法で症状の改善を図っていきます。
高血圧の状態を放置しておくと、動脈硬化が進行して心臓に負担がかかるだけではなく脳卒中や狭心症、心筋梗塞など重篤な疾患を発症するリスクが高くなります。
食事は、塩分を控えて節酒・禁煙を心がけましょう。肥満の方は、適度な運動やバランスの良い食事制限で減量しましょう。
薬物療法と併せて生活習慣を見直すことで、正常な血圧を長く保つことが大切です。生活習慣の改善において、無理な制限はストレスや負担となります。長く続けられる方法で継続していくことが重要です。

生活習慣の改善

塩分を控える

日本人は、他の国と比べて食事における塩分摂取量が多い傾向があります。塩分の量を制限することで、降圧効果が得られます。塩分を控えると、食事が物足りないと感じる場合があります。スパイスや薬味、出汁などを料理に使用して塩分を控えることで、旨味が強くて減塩してもおいしいと感じる料理を作ることができます。
減塩に舌が慣れてくると、塩気が少なくても素材そのものの味や旨味だけで十分満足できるようになります。
1日の塩分摂取量は、成人で6g未満とされています。漬物や佃煮、干物、ふりかけ、ハム、ベーコン、チーズといった加工食品には、塩分が多く含まれております。なるべく市販の加工食品は控えながら無理せず食事を楽しむことが長く続けていくコツです。

肥満の解消・予防

ご自身の身長と体重から体格指数(BMI)を図ることができます。理想とされる「標準体重」のBMI22は、最も病気にかかりにくいとされています。18.5以上~25未満が「普通体重」となり、肥満症または低体重に該当する場合、何かしらの疾患が隠れている可能性があります。
肥満は、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の発症・進行のリスクが高いので、肥満に該当する場合は減量することで、生活習慣病の予防や進行を防ぐ効果が得られます。過度なダイエットによる急激な体重減少は、体調を崩したりリバウンドしてしまう恐れがあるので注意が必要です。長期的な計画を立てて少しずつ体重を減らしていくことが大切です。適度な運動やカロリーコントロールで、BMI22の標準体重を目指しましょう。

体格指数(BMI)=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
標準体重 BMI22
普通体重 BMI18.5以上、25未満
肥満症 BMI25以上
低体重 BMI18.5未満

お酒は節酒しましょう

1日に飲むお酒の適量は、ビールで500cc、日本酒だと1合とされています。お酒は、血管を拡張させる作用があるので、飲酒している時には血圧が下がる傾向がありますが、お酒を習慣的に飲んでいると血圧が高くなることが分かっています。
また、お酒の飲みすぎは、高血圧だけでなく様々な疾患との関連が指摘されています。

運動療法

運動普段まったく運動をしていない人が、急に激しい運動をすると、関節を痛めてしまう可能性があるので気をつけましょう。適度な運動は、一時的に血圧が上がりますが、全身に酸素や栄養を運ぶために血管が拡張して血圧が下がっていきます。
高血圧の方は、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリング、水中運動などの有酸素運動がお勧めです。30分程度の軽い運動を毎日継続して行うことで、降圧だけでなく脂質異常症や肥満などの生活習慣病の予防・進行を防ぐ効果があります。ただし、重度の高血圧や心不全、狭心症などを合併している場合、運動には注意が必要です。まずは医師に相談しましょう。

Cure APP高血圧(スマフォアプリによる高血圧治療補助)

当院ではCure APP 高血圧による治療を行っております。お気軽にご相談ください。

禁煙

禁煙喫煙は、タバコに含まれる化学物質が体内で吸収されて血管の収縮を促し血圧をあげる作用があります。高血圧の方は、禁煙しましょう。禁煙することで、呼吸器疾患の発症や予防にもつながります。

薬物療法

処方箋高血圧は軽度であれば、まずは食事療法や運動療法を行います。生活習慣を改善しても血圧が下がらない場合は、降圧剤を用いた薬物療法を併せて行います。患者様の年齢や体重、性別、持病の有無、薬の副作用などを考慮しながら降圧剤を処方します。
薬の特徴や副作用、メリット、デメリット、注意事項について処方する際に詳しく説明いたします。不明点があればお気軽にご相談ください。

カルシウム拮抗薬

血圧上昇の原因となるカルシウムの働きを抑えながら、血管を拡張させて血圧を下げていきます。

アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)

血管を収縮させて血圧を上げる物質の働きを抑えて、血管を拡張させながら血圧を下げる効果があります。

アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)

血管収縮によって尿量を増加させて、ナトリウムや水分を体外へ排出させる作用があります。体内の血液量が減ることで、血圧を下げる効果があります。

アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)

体内物質ネプリライシンとアンジオテンシンⅡの働きを抑制することで、血圧を低下させ過度な水分蓄積を改善することで心臓への負担を軽減させていきます。主に、心不全・慢性心不全の進行を抑える薬ですが、高血圧にも効果があります。

利尿薬

利尿作用があり、体内の余計な水分を排出することで、体内の血液量が減って血圧を下げる効果があります。

β遮断薬

心臓の拍動の働きを抑えて、血圧を下げる作用があります。

α遮断薬

心臓の拍動の働きを抑えて、血管を拡張させて血圧を下げる作用があります。

αβ遮断薬

心臓の拍動の働きを抑えて、血管を拡張させて血圧を下げる作用があります。

配合剤

血圧を下げる作用を持つ薬を2剤配合して作られたお薬です。複数の成分を組み合わせて1錠にすることで、コストを抑え、服用しやすいという特徴があります。

直接的レニン阻害薬(ラジレス)

血圧を上昇させる物質アンジオテンシンⅡは、レニンやアンジオテンシンⅠといった酵素によって産生されます。レニンを直接的に阻害することで血圧を上げるアンジオテンシンⅡの産生を抑えて血圧を下げる効果があります。

選択的アルドステロン拮抗薬

アルドステロンは心臓肥大や血圧上昇に関わる体内物質です。アルドステロンが作用する受容体に結合してアルドステロンの働きを阻害することで血圧を下げる効果があります。

エプレレノン(セララ)

おもに腎臓に作用して、体内の余分な塩分を水分とともに排出することで、血圧が下がります。血圧降下の他に、慢性心不全の治療としても有用です。

エサキセレノン(ミネブロ)

アルドステロンに直接作用する非ステロイド構造の薬で、性ホルモン系の副作用の心配がありません。作用時間が長く続いて、エプレレノンと同等の降圧効果が得られます。

中枢性交感神経抑制薬

血管運動中枢のα2受容体を刺激して交感神経の働きを抑制し、末梢血管の収縮を止めることで降圧効果をもたらします。
眠気、頭痛、口の乾き、倦怠感、陰萎など、起こりうる副作用が多いため、他の薬が使用できない場合や複数の薬で血圧降下が難しいと判断した場合に使用を検討します。
腎機能障害にも使用が可能なお薬です。就寝前の服用で副作用を軽減することができます。

メチルドパ(アルドメット)

α2受容体を刺激して交感神経を抑制することで、末梢血管を拡張することで血圧を下げる効果があります。胎児への影響が少なく、母乳以降も少ないので、妊娠中や授乳中の方の第一選択薬として用いられます。

クロニジン(カタプレス)

α2受容体に働きかけて交感神経を抑制し、末梢血管を拡張することで血圧を下げる効果があります。高血圧の治療以外に、成長ホルモンの検査や治療にも用いられます。
薬の服用を途中でやめてしまうと、血圧上昇、頭痛、神経過敏といったリバウンド現象が起こる可能性があります。使用を中止する際は、医師の指示に従い服用量を少しずつ減らしていくようにしましょう。

グアンファシン(インチュニブ)

交感神経の働きを抑制させて、血管を拡張させて血圧を下げる薬です。高血圧の治療の他には、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)の治療としても用いられます。
クロニジンと同様に、薬の服用を中止すると血圧上昇、頭痛、神経過敏といったリバウンド現象が起こる恐れがあります。使用をやめる際は、医師の指示に従い徐々に薬の量を減らしていきましょう。

グアナベンズ(ワイテンス)

交感神経を抑制して血管を拡張させることで、血圧を下げる効果があります。服用を途中でやめてしまうと血圧上昇、頭痛、神経過敏といったリバウンド現象が起こる恐れがあります。使用をやめる際は、医師の指示に従い徐々に薬の量を減らしていくようにしましょう。

監修

おきた内科クリニック 
院長 沖田 英明

日本老年医学会 老年病専門医・日本内科学会 認定内科医・日本消化器内視鏡学会専門医・日本リウマチ財団 リウマチ登録医・日本糖尿病協会 療養指導医・認知症サポート医・広島県医師会認定かかりつけ医・日本抗加齢医学会 学会員・日本喘息学会 学会員

脂肪肝

脂肪肝とは?

脂肪肝イメージ脂肪肝は、肝細胞に中性脂肪が30%以上蓄積されている状態です。自覚症状は、ほとんどなく、健康診断などで指摘されて気が付くことがほとんどです。
日本人では、肥満体型ではなく痩せ型の方でも脂肪肝と診断される場合があります。見た目が痩せていても、暴飲暴食や運動不足など生活習慣の乱れによってとり過ぎた脂質や糖質が、体内で中性脂肪に変化して肝臓に溜まっていきます。食の欧米化によって、年々患者数が増加傾向にあります。
脂肪肝は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を合併している場合が多く、そのまま放置していると肝臓機能が低下したり肝炎・肝硬変といった深刻な疾患を発症するリスクが高くなります。

検査で脂肪肝が疑われる数値

脂肪肝は、血液検査や超音波エコーなどで診断します。
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPは血液検査で肝機能を表す数値です。
基準値を超える量が検出された場合、いくつかの病気が疑われます。
※基準値の数値は、検査機関によって異なります。

※この表は横にスクロールできます。

AST(GOT) 基準値7~38IU/L 基準値を超えると急性肝炎・劇症肝炎・慢性肝炎・アルコール性肝炎・脂肪肝・肝硬変・肝がんが疑われます
ALT(GPT) 基準値4~44 IU/L
γ-GTP 男性 80 IU/L以下
女性 30 IU/L以下
基準値を超えると急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変・肝がん・アルコール性肝障害・非アルコール性脂肪性肝炎・薬剤性肝障害・胆道系疾患が疑われます

脂肪肝の症状

体調不良 女性脂肪肝は、初期には自覚症状がほとんどありません。肝臓は、他の臓器と比べて症状が現れにくく「沈黙の臓器」とも呼ばれ、脂肪が蓄積されても特に症状が無く進行していきます。
脂肪肝から肝炎などを誘発すると肝硬変を引き起こします。脂肪肝によって血液循環が悪くなると、全身に酸素や栄養素を十分に届けられずに肥満や食欲低下、全身の倦怠感、右上腹部の痛み、足がむくむ、頭がぼーっとする等の症状が現れます。自覚症状が現れる頃にはかなり進行している状態なので、早めに医療機関を受診しましょう。
また、脂肪肝は生活習慣病やメタボリックシンドロームなどの合併症から動脈硬化を引き起こしやすくなります。進行すると、狭心症や心筋梗塞、心疾患などの重篤な疾患を患うリスクがあるので、早めに治療を行うことが大切です。

脂肪肝の原因

脂肪肝は、アルコールが原因の「アルコール性脂肪肝」とアルコール以外が原因の「非アルコール性脂肪肝」に大きく分けられます。
非アルコール性脂肪肝の原因の多くは、生活習慣の乱れや運動不足などが原因と考えられています。

アルコール

アルコール肝臓は、体内でアルコールを分解・解毒する作用があります。飲みすぎるとアルコールを解毒するときに肝細胞の中で脂肪の入れ替えができず、肝臓に中性脂肪が蓄積されていきます。

肥満

肥満肥満症やメタボリックシンドロームの方は、体内でインスリンが正常に機能せず、脂肪がエネルギーに変換されず、肝臓にも脂肪が蓄積されるようになります。

その他

無理に極端な食事制限などのダイエットを行うと、基礎代謝が低下して肝臓に脂肪が溜まりやすくなることがあります。(低栄養脂肪肝)

脂肪肝を放置していると

脂肪肝は、初期のころは自覚症状がほとんどありません。適切な処置をせずに、そのまま放置していると脂肪性肝炎や肝硬変、肝臓がんなどの肝疾患を発症する恐れがあるので注意が必要です。健康診断などの血液検査で、肝機能の数値が基準値を超えた場合は早めに医療機関を受診しましょう。

アルコール性脂肪肝:アルコール性脂肪肝炎(ASH)

アルコールの過剰摂取が原因で、脂肪肝になると次第に肝臓に炎症が広がっていきます。
これを「アルコール性脂肪肝炎(ASH: alcoholic steatohepatitis)」といいます。肝炎で肝細胞が破壊されると、肝硬変や肝がんなどの疾患を誘発するリスクが高くなります。

非アルコール性脂肪肝:非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

アルコール以外の食べ過ぎや運動不足などが原因で起こる脂肪肝によって、「非アルコール性脂肪肝炎(NASH: non-alcoholic steatohepatitis)」と呼ばれる肝炎になると、アルコール性脂肪肝炎と同様に肝硬変や肝がん等のリスクが高くなります。

脂肪肝の治療・改善

脂肪肝は、特に自覚症状が無く進行していくのでそのまま放置されてしまいがちです。ですが、進行すると肝炎や肝硬変、肝がんなどの肝疾患を引き起こす恐れがあるため、検査などで疑われた場合は早めに病院へご相談ください。
脂肪肝は、原因によって治療や対処が異なります。

食生活の改善

健康的な食事栄養バランスのいい食事を1日3食、また間食を控えるようにしましょう。
食べ過ぎによる脂質や糖質の摂り過ぎに注意してください。

主食1品、主菜1品、副菜2品を目標に

食事は、主食1品、主菜を魚・肉・卵・大豆製品などで1品、副菜を野菜・きのこ・海藻類で2品揃えることが理想とされています。
主食や主菜は、カロリーオーバーに気をつけながら、糖質・脂質を控えて良質なたんぱく質を摂ることを意識しましょう。
外食する際は、なるべく和食を選ぶと栄養バランスがいいのでお勧めです。

糖分、脂肪分の多いものは控えましょう

甘いお菓子脂質・糖質は、肥満やメタボリックシンドロームの原因となります。普段、間食の習慣がある方は、過剰に脂質や糖質を摂取している可能性があるので注意が必要です。特に、甘いものには砂糖がたくさん含まれているので、甘いお菓子などはなるべく控えましょう。どうしても間食したい場合は、果物がお勧めです。果物にも果糖が含まれているので食べ過ぎないように気をつけましょう。

食物繊維やビタミン豊富な食品を選びましょう

野菜、きのこ、海藻などは栄養豊富な低エネルギー食品です。野菜は身体の調子を整え、急な血糖値の上昇を抑える働きがあります。その中でも、食物繊維が豊富な野菜は、腸からの糖質や脂質の吸収を抑える働きがあります。
野菜から食べ始めると、血糖値の上昇を抑えて食べ過ぎを予防する効果が期待できます。

飲酒を控えましょう

お酒を毎日飲まれている方は、肝臓に負担をかけているのでお酒を控えるようにしましょう。おつまみが高カロリーで過剰に脂質をとり過ぎている可能性もあります。食事を見直して栄養バランスのいい食生活を心がけましょう。

適度な運動

運動脂肪肝の改善には、1日30分のウォーキングによる有酸素運動がお勧めです。有酸素運動は、体内の脂肪をエネルギーに変換するため、運動量が増えると、内臓脂肪が減少して脂肪肝の改善に効果が期待できます。ウォーキングの他には、水泳やサイクリングなどの有酸素運動もおすすめです。
脂肪は、筋肉によって燃焼されます。軽い筋トレでインナーマッスルを鍛えることで、基礎代謝が上がって太りにくい体になり脂肪肝にも効果があります。

脂肪肝についてのQ&A

脂肪肝とは何ですか?

脂肪肝とは、肝臓の細胞に過剰に脂肪が蓄積した状態を指します。健康な肝臓は少量の脂肪を含むことがありますが、肝臓の重量の5%以上が脂肪になると脂肪肝と診断されます。脂肪肝はアルコールの過剰摂取や肥満、2型糖尿病などにより引き起こされます。多くの場合、初期段階では症状がなく、健康診断の血液検査等で初めて発見されることが多いです。

脂肪肝の主な症状は何ですか?

脂肪肝の初期段階では症状はほとんど現れません。しかし、病状が進行すると、上腹部の違和感、疲労感、全身のだるさなどを感じることがあります。肝臓の損傷が進行すると黄疸、腹水(お腹に水がたまる状態)、血液凝固異常などの症状が出ることもあります。これらの症状が出た場合、すぐに医療機関を受診する必要があります。

脂肪肝の原因は何ですか?

脂肪肝の最も一般的な原因は、アルコールの過剰摂取、肥満、高血糖(糖尿病)、高血脂症(コレステロールやトリグリセリドの異常上昇)です。これらの条件は、肝臓が脂肪を正常に代謝する能力を阻害し、結果として脂肪が肝細胞に蓄積します。また、遺伝的要素や一部の薬剤が脂肪肝のリスクを増加させることもあります。

脂肪肝の診断方法は何ですか?

脂肪肝は通常、肝機能を評価する血液検査、超音波(エコー)、CT、MRIなどの画像診断法によって診断されます。肝臓の脂肪蓄積は超音波などの画像診断で確認できます。また、肝臓酵素のレベルが通常より高い場合、これも脂肪肝の可能性を示す兆候となります。さらに進行した場合や、より正確な診断が必要な場合には、肝生検(肝臓の組織を採取して調べる方法)が行われることもあります。

脂肪肝の治療方法は何ですか?

脂肪肝の治療は、基本的にはその原因となる病状の管理とライフスタイルの改善により行われます。例えば、肥満が原因であれば、適切な食事と運動による体重の減少が推奨されます。また、糖尿病や高血脂症があれば、これらの状態を管理することも重要です。アルコールが原因の場合、アルコールの摂取を減らすか停止することが求められます。

脂肪肝は完治しますか?

脂肪肝は早期に対処すれば、しばしば改善または完全に回復することが可能です。肝臓は再生能力が高い臓器で、ダメージが進行していなければ健康な細胞に戻ることができます。しかし、それには原因となる状態の適切な管理と、健康的な生活習慣の維持が必要です。また、脂肪肝が肝炎、肝硬変、肝がんといった重度の肝疾患へ進行した場合、その回復は難しくなります。

脂肪肝と糖尿病の関係は何ですか?

脂肪肝と糖尿病は密接な相互関係があります。脂肪肝は、主に肥満やインスリン抵抗性が原因となり、肝臓に脂肪が蓄積します。インスリン抵抗性は、体の細胞がインスリンの効果に対して感受性を失い、血糖値の調節が困難になる状態です。この結果、血糖値が高くなり、2型糖尿病のリスクが増加します。
逆に、糖尿病は脂肪肝の進行を促進します。これは主に、糖尿病患者が肥満であることが多く、それにより肝臓に脂肪が蓄積しやすくなるためです。さらに、高血糖状態は肝臓の炎症反応を引き起こし、脂肪肝を慢性肝炎や肝硬変へと進行させる可能性があります。したがって、糖尿病と脂肪肝は互いに影響を及ぼし合う、重要な公衆衛生上の課題です。

脂肪肝の治療方法は何ですか?

脂肪肝の治療には、ライフスタイルの改善が主な対策となります。具体的には、飲酒量の制限、バランスの取れた食事、定期的な運動などがあります。これらは、肝臓の脂肪蓄積を減少させ、肝臓の健康を改善します。
また、肥満や糖尿病などの基礎疾患がある場合は、これらの疾患の適切な管理も重要です。例えば、糖尿病の場合は血糖値をコントロールすることが求められます。医師の指導のもと、個々の状況に適した治療法を選択することが大切です。

適切な飲食は脂肪肝にどのように影響しますか?

飲食は脂肪肝の発症や進行に大きな影響を及ぼします。特に、高カロリー、高脂肪、高糖質の食事は肝臓に脂肪が蓄積する原因となります。これは、摂取したカロリーがエネルギーとして使用されず、脂肪として体内に保存されるためです。
一方で、バランスの取れた食事は肝臓の健康を維持し、脂肪肝のリスクを低減します。具体的には、魚や肉などの良質なタンパク質、果物や野菜などの食物繊維、オリーブオイルや魚油などの健康的な脂肪を適度に摂取することが推奨されます。また、アルコールの過度な摂取は肝臓にダメージを与えるため、摂取量の管理も重要です。

脂肪肝から肝硬変や肝臓がんに進行する可能性はありますか?

脂肪肝は長期間放置されると、肝臓の炎症や線維化を引き起こし、最終的には肝硬変や肝臓がんへと進行する可能性があります。このプロセスは非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)とも呼ばれ、肝臓の細胞が繰り返しダメージを受けて修復される過程で、肝臓組織が硬く変質し、正常な機能を失う状態を指します。
また、肝硬変や肝臓がんのリスクは、肝臓に脂肪が蓄積するだけでなく、それに伴う慢性的な炎症反応や酸化ストレス、細胞間通信の異常などによっても高まります。これらは肝細胞の変性や増殖異常を引き起こし、結果として肝硬変や肝臓がんの発症につながります。そのため、早期の診断と適切な管理が重要です。

脂肪肝になるとどのような健康リスクが高まるのですか?

脂肪肝は肝臓の健康だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。脂肪肝が存在すると、心血管疾患のリスクが高まると広く認識されています。これは、脂肪肝がしばしば肥満、高血圧、高血糖、高血脂症といったメタボリックシンドロームの症状と共に現れるためです。これらの状態は、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中のリスクを増加させます。
さらに、脂肪肝は2型糖尿病の発症リスクも高めます。肝臓に脂肪が蓄積すると、インスリンの作用が阻害され、血糖値のコントロールが難しくなるからです。したがって、脂肪肝の診断と管理は、これらの疾患の予防と早期発見にも寄与します。

脂肪肝は遺伝しますか?

脂肪肝自体は直接的に遺伝するわけではありませんが、脂肪肝を引き起こす可能性のあるいくつかの要素、例えば肥満やインスリン抵抗性の傾向は、遺伝的要素を持つことが知られています。したがって、親が脂肪肝である場合、子供が脂肪肝になるリスクは一般的に高くなります。
それでも、遺伝的な傾向は必ずしも脂肪肝になるとは限らず、生活習慣が大きな役割を果たします。つまり、健康的な飲食習慣を維持し、定期的な運動を行い、適切な体重を保つことで、脂肪肝の発症を予防することが可能です。

アルコールは脂肪肝にどのように影響しますか?

アルコールの過度な摂取は肝臓に有害で、アルコール性脂肪肝症を引き起こします。アルコールは肝臓で分解され、その過程で発生する物質が肝細胞にダメージを与え、炎症や脂肪の蓄積を引き起こします。アルコール性脂肪肝症が進行すると、肝臓の線維化や肝硬変、肝臓がんに繋がる可能性があります。

適度な運動は脂肪肝にどのように影響しますか?

適度な運動は体重管理に有効で、肥満による脂肪肝のリスクを減らします。運動はカロリーを燃焼させ、脂肪の蓄積を防ぎます。また、運動はインスリンの感受性を改善し、血糖値を安定させる効果があります。これは、脂肪肝の進行を防ぎ、関連する代謝疾患のリスクを減らす役割を果たします。

脂肪肝は子供にも影響しますか?

肥満の増加に伴い、子供たちの間で脂肪肝の発症が増えています。肥満の子供は、肥満でない子供よりも脂肪肝になるリスクが高いです。これは、食事の乱れや運動不足、また遺伝的な要素などが関連しています。そのため、子供の健康な飲食習慣と適度な運動は、脂肪肝の予防に非常に重要です。

監修

おきた内科クリニック 
院長 沖田 英明

日本老年医学会 老年病専門医・日本内科学会 認定内科医・日本消化器内視鏡学会専門医・日本リウマチ財団 リウマチ登録医・日本糖尿病協会 療養指導医・認知症サポート医・広島県医師会認定かかりつけ医・日本抗加齢医学会 学会員・日本喘息学会 学会員

今現在休診の予定はございません。診療時間通りの診療を行っております。

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