早期診断・早期治療が決め手になります
関節リウマチ 6月はリウマチ月間です。
朝起きると手がこわばっている、関節に痛みや腫れがあり、疲労感があるetc….
関節リウマチと新型コロナワクチン接種
MTX(リウマトレックス)ワクチン接種後1週間服用しない
JAK阻害薬(リンヴォック)ワクチン接種後1週間服用しない
アバタセプト(オレンシア)ワクチン接種前後1週間は投与しない
他は投与期間を変えずにそのまま投与
更新 2021年5月18日
リウマチは早期診断・早期治療がカギ!
30~60歳代の女性に多く見られるリウマチですが、早期診断・早期治療が決め手になってきます。
朝起きると手がこわばっている、関節に痛みや腫れがあり、疲労感があるetc….こんな症状が出たらお早めに病院へ!
こんな症状でお困りではありませんか?
- 朝起きると腰から背中にかけて痛い
- 最近、お尻のほうまで痛くなってきている
- 仕事で長時間座っていると腰が痛くなってくる
- いつも、からだのあちこちが痛い
- だんだん首が痛くなって回せなくなった
- 整形外科や治療院に行ったがあまり効果がなかった
- 子供を抱っこしたらギクッとなった
- 膝が痛くて正座ができない
リウマチTea room|関節リウマチの情報サイト
リウマチってどんな病気?
関節が炎症を起こし、痛みや腫れが現れます。炎症が進行すると軟骨や骨が破壊されてしまい、やがては関節の機能が損なわれていきます。手首や手足の関節に起きやすく、しかも左右同時に症状が出ることがあるというのも特徴のひとつです。
リウマチの初期には、急に発熱し、疲れやすく、食欲がないなどの全身症状が生じ、かぜと間違えることもあります。
リウマチの由来は、古代ギリシア語の“rheuma” 「ロイマ」という言葉から発生したものです。古代の考えでは脳から粘液が流れ,うっ滞するところに病気が生ずると考えられていました。粘液が関節にうっ滞すると腫脹や発赤が生じ関節炎になると考えられ,rheumaと関節炎が結びつけらたものです。
関節リウマチの発生する原因と病態
実はまだ、医学的には正確な原因が分かっていません。遺伝や細菌・ウィルスの感染などが考えられております。また、多いケースとしては、風邪症状や外傷の後に発症するというものが挙げられます。発症に環境的な要因が絡んでいるケースもあります。
関節リウマチの病態は、分類するなら自己免疫疾患と一般的には考えられています。つまり、なんらかの要因から自分の身体の一部を自分のものではないと認識してしまって、それに対抗する抗体を生成してしまいます。それが原因で、関節液を作り出す滑膜という組織にリンパ系細胞が集まって反応が起こってしまい、次第に軟骨や骨を破壊し出すことに繋がっていきます。
症状が深刻な場合は、壊された関節は固まったり、反対にゆるみが発生して大きく変形してしまったりします。そして、関節が細部まで壊されると、変形した後に炎症は徐々になくなっていきます。
具体的には、下記のようなステージに分類しております。
リウマチの症状
ステージⅠ(早期)
多少の痛みはあるが、通常の日常生活はできる。骨、軟骨の破壊は見られないが、滑膜が増殖している。
ステージⅡ(中期)
動かすと痛みが出る関節がある。重い物を持つことはできないが、通常の身の回り動作や仕事は可能。軟骨破壊により、骨の間が狭くなっている。
ステージⅢ(進行期)
着替えや歩行など多くの動作に介助が必要。骨破壊が進んでいる。
ステージⅣ(末期)
日常の動作はほとんど不可能。寝たきりか車椅子の生活で、すべての行動が制限される。関節が強直・固定される。
早期発見・早期治療が何よりも大切!
ゆっくり進行すると思われていたリウマチですが、最近の研究の結果最初の数年で悪化することがわかってきました。関節の腫れや痛みがそれほどでなくても、内部で炎症を起こし、いつの間にか関節破壊が進んでいるようなこともあります。それを防ぐには、やはり早期発見と早期治療がポイントです。
リウマチの検査・治療方法
まず、問診、診察、血液検査でチェックしていきます。さらに関節破壊の進行度を検査するため、X線(レントゲン)検査、関節エコ-検査、手指関節MRI検査を行います。当クリニックではステロイドは使用せず、最新のバイオテクノロジー技術を駆使して開発された、生物学的製剤・JAK阻害薬を使用。難病といわれているリウマチですが、治ったと同じような状態を維持できる、高い効果をもたらしています。
検査の目的
上記の検査・治療方法について目的を整理いたします。
- リウマチの診断
- 治療効果の確認
- 治療薬の副作用の確認
- 合併症があるかどうかの確認
- リウマチの現状の確認
生物学的製剤・JAK(ジャック)阻害剤
炎症を引き起こすサイトカインの働きを沈静化し、関節破壊が進むのを防ぎます。点滴か皮下注射のどちらかで投与していきます。JAK阻害剤は、細胞の内側にあるJAKという酵素の働きを抑えることで、炎症や関節破壊を抑えるお薬です。生物学的製剤と違って飲み薬でありながら、同じように炎症の原因となる物質(サイトカイン)の働きを抑えます。
リウマチとよく似ている症状の病気
リウマチに似たような症状を引き起こす病気は多くあります。
①膠原病
- 強皮症
- 多発性筋炎/皮膚筋炎
- リウマチ性多発筋痛症
- ベーチェット病
- 結節性多発動脈炎
- 全身性エリテマトーデス
②感染症
- ウイルスの感染に伴う関節痛
- リウマチ熱
- 細菌性関節炎
③その他
- 偽痛風
- 痛風
- 変形性関節症
- 乾癬性関節炎
- 強直性脊椎炎
- 反応性関節炎
- 糖尿病性関節炎
- サルコイドーシス
- アミロイドーシス
これらと間違えることがないように、前述したような血液検査やX線検査などの検査値を総合的に見て、診断をします。
監修
おきた内科クリニック
院長 沖田 英明
1958年広島市生まれ。地元広島学院高校卒業後、京都、大阪、富山にて東洋医学、近代西洋医学を学ぶ。
日本老年医学会 老年病専門医・日本内科学会 認定内科医・日本消化器内視鏡学会専門医・日本リウマチ財団 リウマチ登録医・日本糖尿病協会 療養指導医・認知症サポート医・広島県医師会認定かかりつけ医・日本抗加齢医学会 学会員・日本喘息学会 学会員