睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?睡眠中に、上気道が狭くなって無呼吸状態になったり低呼吸になったりを繰り返す状態です。このため、何度も起きてしまって睡眠が中断することで睡眠不足となります。昼間に強い眠気に襲われるほか、集中力の低下や自動車事故などを起こすリスクが高まります。10秒以上呼吸が止まる状態を無呼吸と言い、大きないびきを繰り返すのが特徴です。睡眠中の無呼吸や低呼吸によって、血液中の酸素濃度が低下して酸素不足になったり、血圧上昇や胸腔圧力低下などによって心臓に負荷がかかったりします。このため、脳血管障害や心筋梗塞など重篤な疾患を起こす恐れがあるため、注意が必要です。側にいるご家族が気付くケースもあるため、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、速やかに専門の医療機関を受診してください。

睡眠時無呼吸症候群が原因で発症リスクが高い疾患

  1. 動脈硬化
  2. 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
  3. 脳卒中(脳梗塞・脳出血・一過性脳虚血発作・くも膜下出血)
  4. 糖尿病
  5. 高血圧

睡眠時無呼吸症候群の種類

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)とがあります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、呼吸時に気道が閉塞して起こります。また、中枢性睡眠時無呼吸症候群は、呼吸中枢と言われる脳幹にある機能からの指令が一次的に途切れることで起こります。患者様の多くは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群とされています。

症状

症状睡眠中に、大きないびきを繰り返したり、無呼吸を繰り返したりします。睡眠時の無呼吸や低呼吸によって睡眠が中断してしまいますが、そのたびに眼が覚めるわけではないため、ご自身で気付くというよりは側にいるご家族に指摘されて発覚することが多いとされています。
睡眠の質が下がるため、睡眠不足をはじめ、日中の強い眠気や抑うつ症状・集中力の低下・頭痛・倦怠感・疲労感などの症状が現れます。また、口呼吸になることで、喉の炎症を起こしやすいのも特徴です。

睡眠時無呼吸症候群の検査

睡眠時無呼吸症候群の検査には、エプワース眠気尺度・簡易検査・終夜睡眠ポリグラフ検査などがあります。それぞれの検査内容は、以下の通りです。

エプワース眠気尺度(ESS)

ESS:EpworthSleepinessScaleと呼ばれるエプワース眠気尺度では、患者様の主観によって眠気の度合を判断し、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるかどうかの判断の参考にします。各項目ポイントの合計点を計算し、16点以上が重症、11点以上が病的過眠領域と判断し、医療機関を受診する目安とします。あくまでも主観的な判断のため、専門の医療機関を受診することで客観的な状態の診断を受ける必要があります。
以下の表で、8項目においてそれぞれポイントを出して合計していきます。

ポイント

眠ってしまうことはない:0点
時に眠ってしまう:1点
しばしば眠ってしまう:2点
だいたいいつも眠ってしまう:3点

※この表は横にスクロールできます。

状況 点数
1.座って読書している時 0 1 2 3
2.テレビを観ている時 0 1 2 3
3.人の大勢いる場所(会議や劇場など)で座っている時 0 1 2 3
4.他の人の運転する車に休憩なしで1時間以上乗っている時 0 1 2 3
5.午後、横になって休憩をとっている時 0 1 2 3
6.座って人と話している時 0 1 2 3
7.飲酒をせずに昼食後、静かに座っている時 0 1 2 3
8.自分で車を運転中に渋滞や信号で数分間止まっている時 0 1 2 3
簡易検査

問診を行って、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると判断された場合には、簡易検査を行います。検査装置を患者様にお貸しして、ご自宅で就寝時に検査して頂きます。寝る際に、顔と手にセンサーを装着して寝るだけで検査ができます。ご持参いただいた装置に入っている記録データによって診断していきます。睡眠時の無呼吸や低呼吸の平均回数(AHI)を出して、診断します。

状態 AHI
正常 0~5
軽症 6~20
中等度 21~30
重症 31~50
最重症 51以上
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)

より詳細に調べて正確な診断を行います。専門の医療機関をご紹介し、入院検査をして頂きます。酸素濃度・呼吸運動・眼球運動・脳波・心電図・炭酸ガス濃度・体温・いびきの状態を測ります。簡易検査で判断できない場合に、終夜睡眠ポリグラフ検査を実施しております。

睡眠時無呼吸症候群の治療

CPAP療法

睡眠中に、専用の装置を装着して治療を行います。鼻に特殊マスクを付けて、空気を送って気道狭窄や閉塞を防ぎます。適度な圧力の空気によって、快適な呼吸を促します。装置の装着だけなので、ご自宅や旅先でも治療することができます。睡眠時の無呼吸や低呼吸が減るため、睡眠の質が改善されます。それに伴って、昼間の強い眠気や集中力低下もなくなってきます。CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群の主な治療法として確立されていますが、あくまで睡眠時の気道確保による改善法であって、根本治療には至りません。根本的に完治するためには、適正体重の維持や肥満解消など生活習慣の改善が不可欠となります。

診察の流れ

保健診療による一般的な診療内容は、以下の通りです。

1問診

丁寧に問診をしていきます。睡眠状態・昼間の強い眠気・集中力の低下・夜間頻尿・頭痛・抑うつ・起床時の倦怠感や疲労感などについて伺います。

2簡易検査

検査機器をお貸しして、ご自宅で簡易検査を行って頂きます。就寝時に、顔と手にセンサーを装着してから寝てください。

3再受診

返却された検査機器の記録データをもとに、AHI:1時間あたりの無呼吸と低呼吸の平均回数に基づき、診断していきます。

※この表は横にスクロールできます。

AHI 20未満 CPAP療法以外の治療法が適しています。
20~39 1泊入院して詳細に調べる標準睡眠ポリグラフ検査を受けて、結果によって治療法を選択します。
40以上 CPAP療法による治療をお勧めします。

CPAP療法以外の治療

生活習慣の改善

生活習慣の改善肥満によって気道の閉塞や狭窄を起こすことがあります。この場合、運動やカロリー制限を行って、減量をしたり標準体重を維持することで、無呼吸や低呼吸を軽減することができます。また、アルコールは筋肉を弛緩させてしまうため、気道の閉塞や狭窄が起こりやすくなります。飲酒を控えることも、睡眠時の無呼吸や低呼吸を改善できます。また、仰向けよりも横向きに寝ると気道を確保しやすいことがあります。

外科的治療

喉の形状が原因で睡眠時無呼吸症候群が起きている場合は、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術という外科手術を行うことがあります。

マウスピース装着

横になった時に、あごの形状などによって気道確保が困難な場合、特殊なマウスピースを装着することで、気道確保ができる場合があります。この場合、歯科で専用マウスピースを作ります。

早めの受診をお勧めしています

睡眠時無呼吸症候群は、心身の健康に大きなダメージがあり、QOLが大幅に下がってしまいます。また、重大な自動車事故につながるリスクも高まるため、注意が必要です。睡眠時無呼吸症候群の治療が必要な方は多くいる中で、約85%の方が未受診と言われています。事故のリスクが高いことから、以下の症状が見られる場合は、早めに当院までご相談ください。

早めの受診をお勧めしています
  • 寝ている間のいびきを家族に指摘された
  • 昼間、抵抗できないほどの強い眠気がある
  • 睡眠時間はしっかりとっているのに疲れが取れない
  • 倦怠感がある
  • 集中力がない など
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