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胃カメラ検査後、会社を休むべき?対応は?

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胃カメラ検査後、会社を休むべき?──「状況別の正解」をやさしく解説

「胃カメラのあと、仕事は休んだ方がいいの?」──もっとも多いご相談のひとつです。結論は“検査方法(鎮静の有無)とお仕事の内容”で変わります。本稿では、すぐ知りたい方のための結論、根拠、当日の過ごし方、会社への伝え方テンプレまで、やさしく網羅しました。初めての方でも安心して検査を受け、翌日以降も無理なく過ごせるように、実務的な視点で解説します。

 

まず結論:休むべきかの超シンプル指針

  • 鎮静あり(眠って受ける胃カメラ)
    当日の運転(車・バイク・自転車)は不可。判断力や集中力が落ちるため、重要会議・クレーム対応・危険作業は回避。可能なら半日~1日休むのが安全です。日本消化器内視鏡学会も当日の運転回避を周知しています。
  • 鎮静なし(咽頭麻酔だけ)
    多くは当日も軽作業・デスクワークに復帰可。ただし、喉の違和感や空腹、軽い疲労はありうるので、無理せず短時間勤務やリモートなど調整を。
  • 内視鏡治療(ポリープ切除など)を同時施行
    出血予防の観点から当日は安静。医師の指示に従い、翌日以降の復帰目安を確認しましょう。

※鎮静薬は種類により効果の残り方が異なります。特にベンゾジアゼピン系では作用の遷延に注意が必要とされます。当院ではベンゾジアゼピン系は使用していません。

 

仕事の内容で変わる「休む/休まない」の境界線

仕事内容 鎮静あり 鎮静なし ポイント
自動車・二輪の運転、機械操作、現場作業 当日NG(休む推奨) 原則控える/代替配置 安全最優先。運転は当日不可。
接客・クレーム対応・長時間の商談 休む/半休推奨 負担が強い場合は半休 集中力・判断力の低下や疲労を考慮
デスクワーク(軽作業) 半休~1日休むと安心 当日可(体調次第) こまめに休憩・水分補給
在宅勤務 可(内容を軽めに調整) 午後からの短時間稼働が現実的

 

法的な権利:有給休暇は「あなたが時季指定できる」制度

胃カメラ後に不安があれば、年次有給休暇の取得が選択肢になります。労働基準法では、一定の条件を満たす労働者に年休が付与され、労働者が請求する時季に取得できると定められています(事業の正常な運営を妨げる場合のみ会社は時季変更が可能)。

  • 付与要件の目安:雇い入れから6か月経過+全労働日の8割以上出勤で年休が付与。
  • 取得のしかた:検査予約が決まったら、可能なら早めに休暇申請。繁忙期は時季変更の相談が生じることもあります。

 

当日の過ごし方(鎮静の有無で分けて解説)

鎮静あり

  • 運転は当日NG。公共交通機関や家族の送迎を。
  • 判断力が落ちやすいので重要書類の確認・契約行為は避ける
  • 食事は指示どおり。刺激物・アルコールは当日控える。
  • 入浴は短時間のシャワー程度、長湯・激しい運動は避ける。

鎮静なし

  • 咽頭麻酔の影響が切れてから飲水・食事を再開。
  • 軽い疲労感があれば早めに就寝。無理して残業しない。

 

会社への伝え方テンプレ(コピペOK)

件名:検査に伴う勤務調整のお願い(○月○日)
本文:○月○日に胃内視鏡検査(鎮静あり/なし)を受けます。医師の指示により当日の運転や集中力を要する業務を控える必要があるため、半休/有給休暇/在宅勤務(軽作業中心)での対応をお願いできますでしょうか。業務引き継ぎは事前に行います。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

※一般に診断書は不要ですが、会社規定で求められる場合は、受付でご相談ください。

 

よくある不安にQ&Aで回答

Q. 鎮静ありなら絶対に休まないとダメ?
A. 法律上の義務ではありませんが、安全面から休む/半休が現実的です。少なくとも運転や危険業務は当日避けましょう。
Q. 鎮静なしなら午後から出社してもいい?
A. 体調次第で可能です。咽頭麻酔が切れた後、軽めの業務から再開を。
Q. 有給が使えないといわれた…
A. 年休は労働者の時季指定権が原則。運営を妨げる場合に限り会社が時季変更できる制度です。ルールを確認し、建設的に相談を。
Q. 翌日は普通に働ける?
A. 多くの方は翌日から通常勤務に戻れます。治療を伴った場合は医師の指示を優先してください。

 

当院のご案内

おきた内科クリニック(広島市安佐北区)
最新のAI内視鏡と苦痛を抑える鎮静法に対応。
※運転が必要な方は、ご家族の送迎または公共交通機関をご検討ください。

参考文

  • 日本消化器内視鏡学会「内視鏡検査で鎮静薬を使用することのよい点と悪い点は何ですか」:当日の運転回避等の注意。
  • 「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)」:鎮静薬の作用と注意点。
  • 厚生労働省/労働基準法第39条(年次有給休暇):時季指定権・時季変更権の考え方、付与要件。

まとめ:「胃カメラ後に休むべきか」は、鎮静の有無+仕事内容+あなたの体調で決まります。迷ったら、安全側に倒して半休~1日の休暇を。運転は当日不可が原則です。

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