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20代・30代でも胃カメラは必要?

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知らないと損する若年層の内視鏡検査の真実

若いからといって安心していませんか?
「胃カメラ(上部消化管内視鏡)」と聞くと、多くの人は40代以降の健康診断を思い浮かべるかもしれません。しかし、実は20代・30代でも胃の病気にかかるリスクはゼロではありません。胃潰瘍やピロリ菌感染、さらには早期胃がんなど、若い世代でも見逃されがちな疾患が存在します。

ここでは、実際の医療論文をもとに、若年層が胃カメラ検査を受けるべきタイミングや、その必要性についてわかりやすく解説します。健康な今こそ、正しい知識を持って将来のリスクを減らしましょう。

若年層でも胃の病気になる?見落とされがちなリスクとは
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は若者にも起こる
胃潰瘍と聞くとストレスの多い中年男性の病気というイメージがありますが、実際には20〜30代でも発症します。原因の多くは、””ピロリ菌(Helicobacter pylori)””という胃に住みつく細菌です。ある研究によると、日本人の胃潰瘍の70〜80%、十二指腸潰瘍の90〜95%はこの菌が原因とされています。

若いうちは症状が軽く、自覚しにくいケースも多いのが特徴です。そのため、病気が進行してから発見される例もあり、早期の内視鏡検査が重要となります。

「鳥肌胃炎」ってなに?若年女性に多い要注意疾患
特に20代の女性に注意していただきたいのが、「鳥肌胃炎」と呼ばれる炎症です。これは見た目が鳥肌のようにブツブツしていることから名付けられた病態で、未分化型胃がんとの関連が報告されています。

このような微細な変化は、胃カメラでしか発見できません。症状がなくても、家族に胃がんの人がいる、胃もたれが続くといった場合には、早めの検査をおすすめします。

胃がんは中高年だけの病気ではない
若年層でも発症する「早期胃がん」
胃がんは中高年に多い病気ですが、20代・30代でも発症することが分かってきました。特にピロリ菌に感染している人は、胃の粘膜が萎縮してがん化しやすいとされています。

ある研究では、慢性的な胃炎を持つ若年者から早期胃がんが見つかった事例も報告されており、油断は禁物です。

自覚症状がないからこそ怖い「無症状がん」
早期の胃がんは、痛みや不快感といった症状がほとんどありません。「若くて元気だから大丈夫」と思っていた人が、健康診断で偶然発見されるというケースもあります。

この「無症状がん」を見つけるには、やはり内視鏡による検査が最も確実です。

胃カメラを受けたほうがいい人の特徴とは?
では、具体的にどのような人が胃カメラを受けるべきなのでしょうか。以下のチェックリストに当てはまる方は、一度医師に相談してみてください。

状況 背景とリスク
*食後の胃もたれ、腹痛 ピロリ菌による慢性胃炎の可能性があります
*家族に胃がん経験者がいる 遺伝や生活習慣を共有していることが多く、リスクも高めです
*ピロリ菌に感染したことがある 除菌しても、胃がんのリスクは完全には消えません
*タバコを吸う、アルコールを多く摂る 生活習慣が胃がんや潰瘍の引き金になることがあります
*長引くストレスや不眠、不定愁訴がある 機能性ディスペプシアやびらん性胃炎の可能性があります

若年層に内視鏡検査が広がらない理由とは?
検診制度の対象外になっている現状
現在、日本の自治体が行う胃がん検診は、原則として40歳以上が対象です。そのため、20代や30代の方が胃の不調を感じても、保険適用外になりやすく、費用の問題から検査を避ける傾向があります。

このような制度のギャップが、若年層の「発見の遅れ」に繋がっていると指摘されています。

胃カメラ検査を前向きに考えるために
胃カメラ=怖い、苦しいはもう古い?
一昔前は「胃カメラは痛い」「オエッとなる」といったイメージが強く、敬遠する人も多かったかもしれません。しかし近年では、経鼻内視鏡(鼻から挿入)や鎮静剤の使用など、負担の少ない方法が普及しています。

実際に受けてみると、「思ったより楽だった」「不安がなくなってよかった」という声も多く聞かれます。

20代・30代でも、胃カメラは必要なときに受けるべき
年齢が若いからといって、胃の病気に無縁とは限りません。とくにピロリ菌感染歴がある方、家族歴や生活習慣にリスクを抱えている方は、医師と相談しながら適切なタイミングで胃カメラを受けることが大切です。

症状が軽くても、早期発見・早期治療によって将来の大病を防ぐことができます。「健康なうちに調べておく」ことが、実は一番の健康投資なのかもしれません。

あなたの胃、大丈夫ですか?
この記事を読んで少しでも不安を感じたら、まずはかかりつけ医や消化器内科に相談してみてください。無理に我慢するより、専門家の意見を聞くことで安心につながります。

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